第9話   TV「ジャージー島の奇跡」   平成15年6月30日  

昨日の夜TV「素敵な宇宙船 地球号」を見た。フランスの直ぐ沖にある英国自治領チャネル諸島のひとつジャージー島の話である。

1959年一人の動物学者で作家のジェラルド・ダレルがジャージー動物園を設立したことから、島に自然保護・環境整備の意識が芽生え始まった。

世界の絶滅寸前の種を此処に集め保護し、数を増やし元のふるさとへ返すというものであった。作家の地道な活動の中、当時動物園を訪れた子供だった人たちが動物保護の重要性のみならず自然環境の保護を学んでいった。大人になっていった人達の中に島の環境破壊を元へ戻そうという自治政府の役人の中に現れた。1970年代に5年かけてTVや粗大ゴミなどが捨てられ異臭を放つ海岸をボランテアと一緒に州政府の力を借りて誰もが安心して泳げる海岸へと戻した。

島に自然保護・環境整備の意識が芽生え始めました。

80年代に海岸を埋め立てて飛行場と住宅を作る開発問題が起こったが、この島の住民は、開発よりも自然保護を選び人間の手による自然を守る環境整備を行うようになった。

現在では自動車より歩行者、自転車優先のグリーン・レインと云う道路が島中に張巡り島の動植物の生態系を守るようにしている。この道路では自動車は15マイル(24km)しかスピードは出せなくなっている。

以前、下水で汚染されていた湾内の浄化にも力を入れ現在では最新式のUVを利用した下水の処理施設を導入しその99.9%の雑菌を無くしてから海へ放流している。その湾もすっかり甦り動植物も元のように元気に育っている。

汚された湾の中で魚の稚魚が大きくなって外海に出てやがてそれらは人の口に入ると云う循環を考えた人達が居た。その事は島の農業にも刺激となり野菜の無農薬栽培や無農薬の草を食べさせたジャージー牛からのミルクの供給など島の生活を一変させている。

一度破壊した環境を元に戻すのは大変だ。その代償は計り知れない。日本では産廃業者の不法投棄が耐えない。一時の儲けを優先し、綺麗だった島をゴミで埋め尽くし、その処理に何百億円もかかると云う瀬戸内海の島もある。

今、この島は世界中からエコロジーアイランドとして注目を集めていると云う。

環境の汚染は循環型であるから自分のみならず他人にまで被害を与えてしまうものであることの認識が必要だ。

釣り人だって他人事とは云って居られない。ほんの少し位のゴミ・・・!!が、呼び水となって、他の釣り人も自分も捨てても・・・。やがてゴミの山となる。自分一人位・・・・がいけないのである。